4月、選択的夫婦別姓制度の早期実現を目指し、国会前で集会をする女性団体のメンバーら
 4月、選択的夫婦別姓制度の早期実現を目指し、国会前で集会をする女性団体のメンバーら
 4月、選択的夫婦別姓制度の早期実現を目指し、国会前で集会をする女性団体のメンバーら
 夫婦別姓を巡る各党の立場

 婚姻後の旧姓使用を法制化する法案提出に向けた検討を、政府が始めた。改姓で生じる不便さの解消が狙いだが、戸籍に夫婦で同じ姓が記載される点では現行制度と変わりはない。選択的別姓制度を求める人たちは「愛着ある姓を名乗れないのは人格権の侵害であり、根本的解決にならない」と憤る。継続審議となった別姓法案を提出した野党の反発は必至で、議論の先行きは見通せない。

 ▽人権侵害

 「苦しんでいる当事者の気持ちを聞いて議論を進めてほしい」。東京都の黒川とう子さん(52)=仮名=は、政府の方針に絶望感を抱く。結婚の際、慣れ親しんだ名前を変えるのも、それを相手に強制するのも苦痛に感じ、夫の根津充さん(52)=同=とは...

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