高齢化の現状をシンポジウムで訴える福島県双葉地区保護司会の坂本和久会長=10月、法務省
 高齢化の現状をシンポジウムで訴える福島県双葉地区保護司会の坂本和久会長=10月、法務省
 保護司数と平均年齢の推移

 保護司制度の持続可能性に焦点を当てた改正保護司法が成立した。無償のボランティアが立ち直りに寄り添う仕組みは明治期から脈々と続き、近年は海外からの注目も集まる。高齢化による担い手不足や現役保護司の命が奪われた事件で、今後を危ぶむ声が高まる中での法改正。「延命措置」として期待される一方、理念的な規定の多さを課題とみる向きもあり、法務省は認知度向上など具体策の打ち出しを急ぐ。

 ▽じり貧

 「退任年齢を迎える人がめじろ押し。存続の危機だ」。10月下旬、法務省の大会議室。更生保護活動を紹介するシンポジウムで、福島県双葉地区保護司会の坂本和久会長(71)が切々と訴えた。

 双葉地区は、2011年の東京電力福...

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