
市民らが作品を展示する市民ギャラリー。利用者からは「美術館ならではの照明や雰囲気がいい」と信頼が寄せられている
平たんではなかった新潟市美術館の40年の歩みを振り返り、地方の公立美術館が直面する課題と今後の展望を探る。(3回続きの3)
<中>土の作品からカビ、展示室にクモ…「開かれた施設」への転機に
展示の写真をじっくりと眺めたり、楽しそうに談笑したり。11月、新潟市美術館の「市民ギャラリー」では地元フォトクラブ・トップマウンテンⅡの写真展が開かれていた。桑原隆会長(70)は「芸術に親しむ市民の情報交換の場にもなっている」と話す。企画展を訪れた市民が立ち寄るケースも多いという。
市美術館によると、ギャラリーは近年、年間20〜30団体ほどが利用し、観覧者は1万人前後に上る。
「カビクモ問題」の教訓を生かし、「開かれた美術館」へ歩みを進めてきた市美術館。だが中心市街地の衰退もあり、...
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