日本原子力研究開発機構の高速増殖原型炉もんじゅ=福井県敦賀市
 日本原子力研究開発機構の高速増殖原型炉もんじゅ=福井県敦賀市
 取材に応じる岩永幹夫さん
 もんじゅの事故後に建てられた温浴施設「リラ・ポート」=福井県敦賀市
 取材に応じる来馬克美さん

 高速増殖原型炉もんじゅで1995年にナトリウム漏えい事故が起きてから8日で30年。燃やした以上の燃料を生む「夢の原子炉」として国や地元の期待を背負ったが、その後もトラブルや不祥事が続き、ほとんど稼働せず廃炉に。後継炉の先行きも見えない。全国的に原発の廃炉が進む中、地元の福井・敦賀では原発から出る大量の廃棄物を再利用するビジネスが始まるなど「廃炉時代」を見据えた動きが加速する。

▽1兆円投じた「芸術品」

 日本原子力研究開発機構(原子力機構)の高速増殖原型炉もんじゅは、1995年8月に福井県敦賀市で初送電した。燃やした以上のプルトニウムを生むとされ、国が進める核燃料サイクルの中核だった。1兆円を超...

残り2136文字(全文:2436文字)