要介護4の男性の自宅で食事支援をする看護師の石沢真佐子さん(左)=山梨県北杜市
要介護4の男性の自宅で食事支援をする看護師の石沢真佐子さん(左)=山梨県北杜市

 在宅介護の基盤が揺らいでいる。2024年度の介護報酬改定で訪問介護や、看護師らによる「定期巡回」の基本報酬が引き下げられ、事業所が相次いで倒産。「最期まで自宅で」と望む高齢者を支える事業者が先行きを不安視する中、自治体も支援に乗り出した。

 「おなかは減ってる?」。八ケ岳連峰を望む山梨県北杜市。一般社団法人だんだん会の看護師石沢真佐子さんは11月中旬の朝、要介護4の男性(85)宅を訪れ声をかけた。服薬を促して洗濯物を干し、朝食を準備する。

 男性は入院やショートステイを経て、自身の強い希望で自宅に戻った。「自分では何もできないから頼りっきり。夕方も来てくれる」と喜ぶ。

 同会は2017年、「定期巡回てくてく24」(定期巡回・随時対応型訪問介護看護)を始めた。看護師や介護福祉士らが利用者宅を1日に複数回訪問しており、緊急時は夜も駆け付ける。

 排せつ介助やインスリン注射が必要な人にも対応し、理事の宮崎和加子さんは「1人暮らしの在宅みとり」もかなえる仕組みと自負。週に数回の利用が多い訪問介護も行い、利用者は状況に応じて使い分けられる。

 ただ...

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