津波の後、岩手県山田町で発生した火災=2011年3月11日午後(同町提供)
 津波の後、岩手県山田町で発生した火災=2011年3月11日午後(同町提供)
 津波の後、火災が発生した岩手県山田町の中心部=2011年3月11日午後5時42分(同町提供)
 津波から避難した町役場裏の高台に立つ甲斐谷定貴さん(左)と佐藤譲さん=1月、岩手県山田町
 甲斐谷定貴さんが消火のための水を確保するためにせき止めた用水路=1月、岩手県山田町
 消火に使った緊急用飲料水の貯水槽の前に立つ甲斐谷定貴さん(右)と佐藤譲さん=1月、岩手県山田町

 津波に続いて起きる「津波火災」は、消火活動が通常の火災より困難を極める。津波からの避難が必要な上、浸水や一面を覆ったがれきに現場到着を阻まれ、消火栓などが使えず水の確保もままならないからだ。専門家は「市街地の火災とは異なる津波火災のリスクを認識しておいてほしい」と呼びかける。

 ▽導火線

 「すぐ行けば消せるような火だったのに」。岩手県山田町消防団第7分団として2011年の東日本大震災当日、町中心部で、消火活動に追われた甲斐谷定貴さん(53)、佐藤譲さん(42)の苦い記憶だ。

 中心部は津波に襲われた後、2カ所から白煙が立ち上った。やがて黒煙に変わった。2人は消火に向かったが、路上のがれきが行く手...

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