取材に応じる橋口亜希子さん
取材に応じる橋口亜希子さん
母子らの遺体が見つかった大阪府吹田市の集合住宅周辺を警戒する警察官=2025年6月、大阪府吹田市
こども家庭庁が入る建物=東京都千代田区

 梅雨時の雨が車の窓ガラスをぬらした。助手席に座った当時6歳の息子の首に手をかけ、ぐっと力を込める。「この子を殺して私も死のう」。その時だった。「お母さんにつらい思いをさせてごめんね」。息子の口からこぼれた言葉。はっとわれに返り手を離した―。

 2001年6月の夜のことだった。25年近くたった今でも、鮮明に覚えている。橋口亜希子さん(54)は、息子と静岡県の山中で死のうとした。「社会からの拒絶の連続で、絶望していた」

 保護者が自殺を図る際、子どもを道連れにする無理心中。2004年からの約20年で計652人の子どもが犠牲になった。橋口さんは当時を振り返り、「居場所を失い孤立していた。社会が追い詰め...

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