株式会社ビデオリサーチ(以下当社)内の生活者に関するシンクタンク「ひと研究所」では、当社のマーケティングデータなどをもとに、生活者の意識・行動について研究しています。今回は、世界睡眠デー、春の睡眠の日を前に、生活者の平均睡眠時間の推移と、10年で睡眠時間が増加している背景について、ひと研究所 所長 渡辺庸人の分析をご紹介します。

■10年で平均睡眠時間は増加傾向。男性20代は約30分増加で8時間25分、女性20代も8時間23分に

生活者行動を示す当社マーケティングデータ「MCR/ex」の2016年~2025年調査結果をもとに、10代~60代男女の平均睡眠時間の推移をみたところ、下記の変化がみられました。


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※調査方法…特定一週間を対象に、15分単位で生活行動を日記式で記録


【ひと研究所 所長「生活者行動×睡眠」に関するコメント】

■10年間の平均睡眠時間推移分析

<全体傾向>
生活者の睡眠時間は、コロナ禍を契機に増加傾向がみられます。外出自粛や在宅勤務の拡大により、通勤・通学などの移動にかかる時間が減少して朝早く起きる必要がなくなったことが主なきっかけ・背景です。こうした生活リズム・パターンの変化は一時的なものにとどまらず、その後、一定程度社会的にも定着し、現在に至ります。

<世代別傾向>
若年層では、学校(大学)でのリモート講義の実施や、働く環境において在宅勤務が可能になったことなど、コロナ禍による生活環境の変化が睡眠時間に大きく影響していると考えられます。一方で中高年、専業主婦層はそもそもコロナ禍においても生活スタイルの大きな変化が比較的少なかった方々も多く、睡眠時間への影響が限定的だったとみられます。


■なぜ睡眠時間が増えているか?

1.環境の変化
コロナ禍での生活変化がきっかけとなり、移動や外出をしなくても社会活動(学校、仕事、買い物など)ができるようになったという環境変化が要因として挙げられます。加えて、飲食店など各業界でも働き方改革、あるいは労働力不足の課題などもあり、深夜まで営業している店舗が減少したことも影響しているとみられます。夜間の外出機会や外出時間が減り、早めに帰宅・就寝する生活スタイルが広がっている可能性があります。

2.メディア変化
メディアの変化も影響していると考えられます。スマートフォンとSNSや動画サービスの普及によって、いつでもどこでも情報やコンテンツを得られるようになりました。また、テレビやラジオもタイムシフト視聴が以前と比較して手軽に利用できるようになってきています。その結果、“夜に寝ないでコンテンツを見聞きする”ことをせず、翌日以降で各々の都合のいい時間にコンテンツを見聞きすることが増えたことで、睡眠時間が確保しやすくなってきているといえます。

3.心理変化
“日本人は睡眠時間が短い”という話は長くマスメディアで報道されてきており、教育の場でも睡眠の重要性を教えているという話も聞きます。また、働き方改革などの流れの中には当然、睡眠をきちんととるという意識が高まる要素もあります。依然として睡眠時間は国際比較では短いかもしれませんが、徐々に意識の上では睡眠の重要性を理解してきていると考えるのが妥当かと思います。そもそも人間には睡眠欲求があり、一般的に“日本人は睡眠時間が国際的に比較して短い”と言われている状況であるならば、欲求を制限する動機や必然性(メディア利用、仕事、深夜外出など)が小さくなると、睡眠時間が増えていくのは、ごく自然な流れと考えられます。


■リカバリーウェアやスリープテック…睡眠の質に投資する消費行動について

睡眠時間が少ないことによる美容・健康面でのデメリットはさまざまに指摘されてきました。それは、現在の美容・健康状態だけでなく、将来的な悪影響についても語られています。こうした状況から、長期的な“パフォーマンス”の観点でみると、睡眠はコスパ・タイパが良い美容・健康法であると考える人が増えてきても、不思議ではありません。
ひと研究所では、長期的、将来的なメリットも見据えた消費行動を「ミライマ消費」と呼んでいますが、睡眠も現在のパフォーマンスだけでなく、未来のパフォーマンスも高めるためにとても大事であると認識されるようになってきているといえます。すると自然と、お金の使い先として睡眠に関わるモノ・コトへのニーズが高まってきていると考えられます。


■今後の見通し

睡眠時間の増加は、一過性のものではなく、生活行動や消費意識の変化などの結果、起きていると考えられます。さらに美容・健康の文脈においても日本人はもっと睡眠時間をとるべきという前提で考えると、過去と比較して睡眠時間が伸びている現在の状況は、今後も一定程度続くとみられます。

渡辺へのコメント取材も可能です。お問い合わせください。


■生活者研究 専門家のご紹介
ビデオリサーチ ひと研究所 所長 渡辺 庸人
一橋大学大学院・社会学研究科修士課程修了。修士(社会学)、専門社会調査士。
2009年ビデオリサーチ入社。広告会社や広告主をクライアントとしたリサーチの企画・分析部門や、若者研究チーム参加を経て、2017年よりビデオリサーチのシンクタンク「ひと研究所」に参画し、2024年より現職。「生活者のメディア行動」をテーマに研究・発信活動を行いながら、クライアントの個別課題解決のための調査実施・分析に携わる。

専門領域
生活行動・メディア利用行動分析、生活者セグメント開発
著書
『データの科学の新領域2 調査の論理』(分担執筆、勁草書房)
『情報メディア白書2023』(分担執筆、ダイヤモンド社)
取材実績テーマ
生活者行動(例:若年層の朝の動画視聴行動、選挙×SNS、2026年消費者トレンド予測など)


<参考>平均睡眠時間(性年代別)詳細


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■ひと研究所 (https://www.videor.co.jp/service/communication/hitoken.html

ひと研究所とは、ビデオリサーチの生活者に関するシンクタンクです。当社が保有する多様なデータを活用しながら、生活者の今と未来のインサイトを探求しています。

株式会社ビデオリサーチ( https://www.videor.co.jp/

株式会社ビデオリサーチは、テレビを含む動画ビジネスを支えるデータ&システム会社です。1962年にテレビ視聴率データを提供する調査機関として設立され、日本国内におけるテレビ視聴率調査や各種メディアデータ、マーケティングデータを提供しています。公正なデータと信頼性の高い指標を基盤に、企業のマーケティング課題解決をトータルサポートし、知恵と情熱でデータ&システムを駆使するソリューションカンパニーとして、企業の意思決定を支援しています。


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株式会社ビデオリサーチコミュニケーションズ
ビデオリサーチグループ広報セクション
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関連リンク
「ひと研究所」紹介ページ
https://www.videor.co.jp/service/media-data/hitoken.html