
中間貯蔵施設の中には汚染され除染によって集められた土砂などの山が黒いシートに覆われていた
「ここに母屋が立っていて、庭にはコイが泳ぐ池もあったんです」。大事故を起こした東京電力福島第1原子力発電所内のクレーンが見える福島県大熊町の一角。更地になった実家跡に立って、門馬好春さん(68)が言う。事故から15年になるのを前にした2月半ば、いまだに残る帰還困難区域を地権者と歩いた。(文・井田徹治、写真・堀誠、ともに共同通信編集委員)
▽低価格の地代
囲みの石がいくつか残っていることが、池があったことのわずかな証しだ。近くにある門馬さんの田んぼは、枯れたススキとセイタカアワダチソウに覆われ、かつての面影はない。
この土地は、事故で放出された放射性物質で汚染され、除染の結果出た大量の土砂や廃...
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