新潟水俣病の第2次行政認定訴訟の判決で「全員認定」「完全勝訴」と書かれた幕を掲げる原告側の弁護士=12日、新潟市中央区
新潟水俣病の第2次行政認定訴訟の判決で「全員認定」「完全勝訴」と書かれた幕を掲げる原告側の弁護士=12日、新潟市中央区

 水俣病特有の症状があると診断されながら認定を棄却されたとして、新潟市と阿賀野市に住む男女計8人が県と新潟市を相手取り、棄却処分の取り消しと認定義務付けを求めた新潟水俣病第2次行政認定訴訟の判決で、新潟地裁(鈴木雄輔裁判長)は12日、棄却処分は「違法」だとして全員の処分を取り消し、公害健康被害補償法(公健法)に基づく水俣病患者と認めるよう県と市に命じた。第1次訴訟に続き、原告全員が勝訴したことで、今後の認定手続きや他の訴訟にも影響を与える可能性がある。

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 第2次訴訟で原告側は、阿賀野川流域で取れたメチル水銀に汚染された魚介を多食し、感覚障害といった症状があることなどから水俣病だと主張してきた。

 鈴木裁判長は判決理由で、感覚障害については「態様が典型例と異なっていても水俣病である、との蓋然(がいぜん)性を否定できない」と強調。既に認定された患者にも典型的ではない感覚障害のある人が一定数いる事実があると、判断の根拠に挙げた。

 また、魚介類の摂食状況が基準で示される量や期間に達しない場合でも「水俣病を発症することはない、とまでは言えない」と指摘。「症候も踏まえて、より慎重に水俣病の罹患(りかん)を判断すべきである」とした。

 新潟水俣病の行政認定訴訟では、東京高裁が2017年の第1次訴訟の判決で、原告全員の認定を新潟市に命じて確定しており、再び原告の訴えが認められた格好。判決後の会見で原告は「訴えを理解してもらえてうれしい」「応援してくれた人のおかげだ。感謝している」と喜びを語った。

 2次訴訟は19年2月に提起。当初は男女5人が原告だったが、後に3人が追加提訴した。いずれも60〜90代(うち2人は死亡)で、医師に水俣病と診断され、13〜15年に県や新潟市に公健法に基づく水俣病認定を求めたが、17〜20年に棄却されていた。

 2月末現在、新潟県の水俣病認定者数は717人。延べ1658人が申請を棄却されている。

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 「水俣病である旨の認定をせよ」。12日に...

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