昨年9月、記者(35)に待望の子どもが誕生した。男女の双子だ。病院で気持ちよさそうに眠る2人と初めて対面した時の感動は、今でも思い出すと目頭が熱くなる。しかし、退院後に本格的に始まった双子育児の多忙さは、想像を超えていた。4カ月余りの育児休業を経て、職場復帰した今、山あり谷ありの育児生活を振り返る。
「ギャーッ、ギャーッ」-。深夜、自宅の寝室に双子の泣き声が響き渡る。
眠気に耐えながら、記者と妻(32)が一人ずつ抱っこするが、泣きやまない。数十分後、やっと静かになった2人をベビーベッドに寝かせると、再び「ギャーッ」。いわゆる「背中スイッチ」だ。
無力感にさいなまれたまま、気付けば次の授乳の時間。妻は1人に母乳、記者はもう1人に粉ミルクを飲ませる。ようやく満足げな表情を浮かべ眠りに落ちる2人。親もやっと布団に入れる、と思ったのもつかの間、また「ギャーッ、ギャーッ」-。双子が同時に寝てくれる時間はわずかだ。
そうこうするうちに窓の外が明るくなり、テレビからは当時やっていた朝ドラ「ばけばけ」のテーマ曲「笑ったり転んだり」が流れ出した。
ああ、今日もほとんど眠れなかったな。
育児「休業」という言葉とはかけ離れた、休む間もない親子4人の生活は、こうして幕を開けた。
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結婚から5年余りが過ぎた昨年2月。妻に妊娠を告げられた。「2人いるみたい」。記者は「そんなことがあるのか」と驚き、同時に、大きな喜びがこみ上げた。
初めての出産で、双子。妻の両親はすでに他界しており、里帰り出産などのサポートを受けられないこともあって、記者が長めに仕事を休む必要があると考えた。すぐに上司に相談し、育休と有休を使い、計4カ月余りを休めることになった。
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出産後、妻子が入院している間に、記者も病院で授乳やおむつ替えの練習をした。自分なりに「できる準備はした」と思い、退院直前まで仕事優先の生活は変えなかった。
しかし育休に入り、実際に家での育児が始まると、父親になる心の準備も育児の勉強も、どちらも足りていなかったことにすぐに気付かされた。
見よう見まねで抱っこするが、小さな赤ちゃんの首はぐらぐらして危ない。本来なら沸かした湯で作った後に冷まして飲ませるミルクを、ぬるま湯で作って妻に注意される。せっかく寝た双子を、歩く音を立てて起こしてしまう-。失敗は、枚挙にいとまがない。
授乳、おむつ替え、抱っこの24時間無限ループ。不眠が続き、日中も倦怠(けんたい)感が取れなくなった。睡眠薬を処方してもらったり、5時間交代で別室で睡眠を取ったりしても、しばらく改善しなかった。自分だけがつらいと思い込み、産後のダメージが残る妻に弱音を吐いて、嫌な思いをさせたこともあった。
子どもたちは現在、生後半年を過ぎ、出生時の3倍ほどの体重に成長した。当時の写真を見返すと、いまとは違うかわいらしさがある。でもその頃、そう思える余裕はなかった。












