リニア中央新幹線の試験車(JR東海提供)

 リニア中央新幹線開業の障壁となっていた静岡工区の工事が年内に始まる可能性が出てきた。県知事の交代で潮目が変化。水資源や環境の保全を巡る課題についてJR東海が示した対応策を県の有識者専門部会が了承、大井川流域住民らの反応も踏まえた現知事の可否判断が焦点となる。ただ工事費の膨張に加え、南アルプスを貫く工事の難しさも指摘され、東京・品川-名古屋間の開業には課題が山積している。 

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◆知事交代で議論進展も「命の水」への影響懸念

 リニア中央新幹線の静岡工区(約8・9キロ)着工について、静岡県の鈴木康友知事が夏にも容認するとの見方が出ている。工事による大井川の流量減少や自然環境への影響が懸念される中、JR東海による流域自治体住民への説明会は6月中に終わる見通しだ。

 ▽対話姿勢

 「大井川は...

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