■久保建英の回想

 東京オリンピックサッカー男子準決勝、日本対スペインの歴史に残る死闘を見ていて、2人の自分がいることに気づいた。1人目は、心の底の底の底から日本を応援して勝利を願って、柄にもなく念を送ってみたりする自分。勝て勝て勝て!

 もう1人は、そこからしばらくたって、「スペイン≒アルビレックス新潟」という視点から試合を振り返る自分。そうか、こういうことか。

 スペインで育った久保建英が試合直後のフラッシュインタビューで、そのスペインのことを、

 強くてうまくて、

 と表現していた。心に残った。スペイン人監督、アルベルト・プッチ・オルトネダを冠する新潟は、これから対戦する相手にそう言わせるようなフ...

残り1059文字(全文:1359文字)