作業に当たるロータリー除雪車=南魚沼市六日町
作業に当たるロータリー除雪車=南魚沼市六日町

 冬場でも想像以上に国道17号が走りやすい-。新潟市から魚沼総局に異動して最初の冬、雪道の運転は不安だったが、除雪車が出動すると、すぐにアスファルトの路面が見えることに感動した。なぜこんなに美しい除雪ができるのだろうか。国土交通省湯沢維持・雪害対策出張所と、国道17号の除雪業務を担う南魚沼市五郎丸の笛田組に除雪の秘訣(ひけつ)を聞いた。(魚沼総局・小林史佳)

 大雪となった2月上旬、南魚沼市関の国交省塩沢除雪ステーションから除雪グレーダー2台が連なって出動した。圧雪された雪を大きなブレード(刃)で削り取り、道路脇に寄せていく。グレーダーが通った後は、路面がくっきり見えるようになった。

 晴天の日には、六日町の市民会館付近でロータリー除雪車が、回転装置で雪壁を切り崩していく。厚い雪壁はみるみる薄くなり、車道が広がっていった。

 笛田組は、冬季に湯沢維持・雪害対策出張所が管轄する国道17号の3工区計47・5キロのうち、20・8キロの「塩沢工区」の除雪を担う=地図参照=。今冬は10〜70代計48人のオペレーターが、3班に分かれて活躍する。

 20・8キロの除雪に要する時間は、1回3時間ほど。気象データや降雪状況を見て、5〜10センチの降雪が見込まれる場合や、今後も降り続くとの予報があった場合は、すぐ除雪車を出動させるという。大雪時は、午後7時〜午前7時の12時間で3往復することもある=表参照=。夜通しの作業で雪道の安全を確保する。

 笛田組は積雪の状況に合わせて、5種類の除雪車を使う。塩沢除雪ステーションを起点に、除雪グレーダー2台、グレーダーより小回りが利く除雪ドーザー1台を、湯沢方面と六日町方面にそれぞれ向かわせて往復することで、一気に除雪する。少し時間をずらし、凍結防止剤散布車に追わせる。

 美しい除雪に欠かせないのは、除雪車の性能だけではない。操作するオペレーターの技術と、除雪する場所の地形を熟知することも必要だ。

 道路が雪で真っ白になると、縁石など障害物は見えない。雪がない時期に、道路の形状だけでなく、障害物の有無や段差の位置も認識しておかなければならない。オペレーターは秋に視察をし、危険箇所を確認する。

 除雪車の正確な操作も鍵となる。各除雪車にはレバーやボタンが複数あり、モニターが付いている物もある。操作や確認には慣れが必要だ。オペレーター歴30年という笛田組土木部の小林晃課長(65)は「除雪グレーダーはブレードのわずかな角度の違いで、除雪できる量も変わる」と話す。路面に雪を残さないよう、技術向上に努めている。

除雪ドーザー(左)と除雪グレーダー(右の2台)

 しかし、オペレーターの高齢化や人手不足で、除雪技術がうまく継承できなくなることが危惧されている。湯沢維持・雪害対策出張所によると管内の3工区の除雪機械運転者の年代は、50代以上の比率が5割を超えているという。

 北陸地方整備局は操作の自動化などを目的に、情報通信技術(ICT)除雪機械の開発を進めているが、水道剣(すいどう・けん)出張所長は「管内では除雪機械運転者の熟練された技術に、まだまだ頼っている」と話す。

 笛田組では、若手は5種類全ての除雪機械を操作し、経験を積んでもらう。1人乗りの除雪グレーダーは、笛田組では2台が前後に連なって作業するのが基本。先輩が前方車両、後輩は後方車両に乗り、車両の動かし方や雪の寄せ方などを学ぶ。2人乗りの除雪ドーザーでは、若手はベテランと乗車し、操作の指導を受ける。

 水道出張所長は「管内の除雪作業を担う企業は、冬季の道路交通確保に対して責任感に満ちており、長年出張所を支えてもらっている」と感謝する。住民らから届く感謝の声も、オペレーターの励みになっているという。小林さんは「現状に満足することなく、さらに除雪の技術を高めていきたい」と力を込めた。...

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