激戦を制し、万歳する立憲民主党新人の梅谷守氏=1日午前0時ごろ、上越市
激戦を制し、万歳する立憲民主党新人の梅谷守氏=1日午前0時ごろ、上越市

 10月31日投開票の衆院選では、新潟県内6小選挙区のうち四つで野党統一候補が勝利し、2017年前回選に続いて自民党に勝ち越した。一方、小選挙区で敗れた4人の自民候補は全員が比例復活。自民の当選者は比例単独の1人を含め計7人で、野党系の4人を上回った。手放しで喜べない野党と、負けても高揚感をのぞかせる自民。勝敗の在りかがかすむ結果となった政治決戦を振り返り、来年に予定される知事選や参院選に向けた課題を探った。(敬称略)

 新潟6区は130票差。4区も238票差-。全国屈指の大接戦が県内二つの選挙区で繰り広げられた。戦いを制したのは共に野党統一候補で立憲民主党の梅谷守と、同党の菊田真紀子だった。

 自民党県連会長の高鳥修一を破った6区の梅谷は「まさに激闘。誰一人欠けてもこの勝利はつかめなかった」と喜びを爆発させた。

 4区の菊田は夫の訃報に接し、三条市の会場に来ることができなかった。当選後は会場とスマートフォンの電話をつなぎ「最高の団結力で選挙を戦ってくれたみなさんに感謝を申し上げます」と声を詰まらせた。

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 立民、国民民主党などの旧民主党系と、共産党、社民党などが連携する野党共闘の枠組みは16年参院選で初めて実現した。現立民参院議員、森裕子が野党統一候補として出馬して当選。その後、県内では共闘路線が何度も奏功してきた。

 共産県委員会委員長の樋渡士自夫は今回の結果を「野党共闘が深化した」と評価。共産関係者が統一候補と街頭で並ぶなど、連携する場面がより目立った。

 ただ、全国で共闘が成果を上げたわけではない。立民や共産などは統一候補を全国に擁立したが、立民は改選前より10議席以上、共産も2議席減らした。

 県内を見ても、4、6区は薄氷を踏むような勝利だった。1、5区も保守系の相手候補が割れたことなどから「敵失」(立民県連幹部)との見方も出ている。野党共闘の基盤が盤石とは言い難いのが実情だ。

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 共闘が抱える不安要素の一つに、立民の最大の支持団体である連合と、共産との関係性がある。双方は労働運動を巡り対立してきた歴史的経緯があり、連合側が直接的な連携に難色を示しているためだ。

 本県でも共産と協力した立民候補の運動に影響が出た。ある民間労組の幹部は「うちは立民候補に推薦は出せない。共産との距離を考えれば無理な話だ」と話し、支援に消極的だった。

 連合新潟会長の牧野茂夫の見方も厳しい。立民と共産との距離が近づいたことで組合員のモチベーションが下がったとみて、「選挙の枠組みを考えないといけない時に来ている」と立民に再考を促す。

 ただ、立民にとって共産と距離を置くことのリスクもある。共産が選挙区に候補を立て、今回の2区のような分裂選挙になれば自民を利するからだ。

 立民県連代表の西村智奈美は衆院選後、来年に予定される参院選などを念頭に「各政党で衆院選の総括があると思う。選挙に向けた議論を急がないといけない」と語った。本県野党勢力の成功モデルである共闘が岐路に立たされた。

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