自民党県議団に小選挙区敗北を告げ、頭を下げる塚田一郎。比例復活した塚田と国定勇人(左)の表情は硬かった=1日、県議会
自民党県議団に小選挙区敗北を告げ、頭を下げる塚田一郎。比例復活した塚田と国定勇人(左)の表情は硬かった=1日、県議会

 衆院選開票から一夜明けた1日、新潟県内の自民党当選者7人のうち、細田健一、国定勇人、塚田一郎の3人が選挙協力への謝意を述べるため、自民県議団の会議に出席した。

 比例復活した国定と塚田に笑顔はなかった。「力が及ばなかった」「私の力不足」。深々と頭を下げ、小選挙区での敗戦をわびた。

 一方、迎えた県議たちに悲壮感はなく、むしろ高揚感すらにじませていた。2017年の前回選と同様、野党に再び2勝4敗と負け越したにもかかわらずだ。

 その理由の一つは、激戦だった3、4、6区の健闘だ。3区は議席を奪還し、4、6区も負けはしたものの全国有数の僅差だった。県議たちは会議前から、笑顔で「よく戦った」などとねぎらい合った。

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 小選挙区で敗れた4人全員が比例復活したことも高揚感につながっている。結果として、比例単独の当選者を含め、本県関係の自民衆院議員が改選前より1人増の7人となったからだ。

 「本当に大きい」。県連幹事長の小野峯生は、知事選、参院選と大型選挙が続く来年に向けた「土台」になると成果を強調した。

 ただ、比例復活の4人は選挙制度がもたらした“棚ぼた”ともいえる。県連内には「(選挙区で)2連続負け越しという現実を覆い隠している」と、組織の緩みを危惧する声もある。

 現実を直視すれば今回、安定した戦いを展開できたのは野党側が唯一、割れた2区だけだ。野党統一候補が立った残りの5選挙区では1勝4敗だった。

 県連三役経験もある県議楡井辰雄は勝敗が分かれた一因を「候補とそれを支える仲間が普段からどれだけ地域を歩いていたかの差」と指摘する。各選挙区でより緻密な活動と組織の締め直しが必要とみる。

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 県内の自民は、16年、19年の参院選でも野党統一候補に連敗。事実上、国政選挙に5年余りも負け続けている状況で、地力の弱さは明らかだ。

 来年の参院選に向け、ほかにも不安要素がある。

 自民と連立政権を組み、選挙協力してきた公明党の票の行方だ。新潟日報社が加盟する共同通信社などが今衆院選で実施した出口調査では、各選挙区で公明支持層の3~5割程度が野党側に流れていた。

 与党としてさらなる結束が求められる中、今回の選挙戦を通じて自・公間に新たな火種が生じた。

 終盤の10月28日、新潟市中央区で自民候補の応援演説をする首相岸田文雄を、公明県本部関係者が遠巻きに眺めていた。安倍政権時代、首相来援時に必ず県本部代表が招かれたが、今回は招かれなかったという。

 「こういう扱いは初めてだ。このお返しは来年の参院選でやる」。硬い表情でつぶやいた。(敬称略)

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