停電で製氷設備を動かせない中、小木地区で勝った氷で出荷作業する赤泊地区の漁業者=12月20日正午ごろ、佐渡市徳和
停電で製氷設備を動かせない中、小木地区で勝った氷で出荷作業する赤泊地区の漁業者=12月20日正午ごろ、佐渡市徳和
停電のために臨時休業した史跡佐渡金山=12月20日午前11時30分過ぎ、佐渡市相川地区

 新潟県佐渡市内の広範囲で続いている停電は、企業や漁業などに大きな打撃を与えている。酒造りの最盛期を迎えている酒蔵は、仕込みも出荷もストップ。漁師は漁に欠かせない氷の入手にも手間がかかり、主力産業の観光にも影響が出た。先の見えない停電に島民の疲れと、もどかしさが募る。

 「12月は一番忙しい書き入れ時。それなのに仕込みも出荷も全て止まった」。停電が長引く赤泊地区の徳和にある北雪酒造の取締役の中川康夫さん(66)は声を落とした。

 ことしは需要の回復を見込み、仕込み量を増やしていた。だが18日から断続的に停電。「酒の仕込みには一つの工程だけで数時間はかかる。その間に停電したら材料は使えず破棄しないと...

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