加藤秀治郎氏
加藤秀治郎氏

【2021/10/22】

 小選挙区制は導入目的だった政党中心の選挙に向かいつつある部分もあり、一定の評価はできる。

 自民党は衆院選を前に総裁選を行い、トップを代えた。各選挙区で勝つために党の「顔」を代えるという考え方は、政党本位の選挙になりつつある証拠だ。

 小選挙区制導入後、2回の政権交代が実現した。与党に不満があれば野党に議席が大きく流れるという、単純なメカニズムが働いた。小選挙区制導入の目的は、得票率の差以上に議席の差を大きくすること。その意味では、狙い通りの効果が出たと言える。

 第1党と第2党の議席の差が大きく開くと「二大政党制になっていない」という指摘もあるが、そうではない。伝統的に二...

残り756文字(全文:1056文字)