
伊藤惇夫氏
【2021/10/22】
政治改革が議論されていた当時、自民党職員として関わった。改革推進派だった議員といま話をすると、口をそろえて「こんなはずではなかった」と漏らす。私も同じ感想だ。
当時、推進派議員は「自民党が政権から去ったとしても、政治を変えなければならない」という思いを持っていた。その熱意は評価できる。しかし、改革の中身には問題もあった。
議会政治の母国英国を手本に、単純小選挙区制を軸に考えていた。途中から比例代表との並立制になり、さらに比例復活で両制度に橋を架けてしまった。少数野党に配慮したためだ。結果的に、制度が非常に中途半端になってしまった。
ただ、仮に単純小選挙区制を選んでも、...
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