
将棋で史上初の全八冠独占を果たし、色紙を手にする藤井聡太新王座=10月11日夜、京都市
10月11日に八冠を制覇した藤井聡太新王座(21)の活躍は、将棋ファンの裾野を女性や若年層に広げ、社会現象となった。インターネットでの配信番組などで、指さなくても観戦を楽しむファン「観(み)る将」が続出している。
この日、藤井八冠は昼食に「寿司(すし)盛り合わせ」を注文した。ネットテレビ「ABEMA」の中継番組が報告すると、コメント欄は「聡太もついに寿司を食べるようになったのか」「足りるんか」などと、まるで家族のように親近感を抱く視聴者の書き込みが相次いだ。
観る将の視線は、対局中の食事やおやつにまで注がれる。藤井八冠が選んだケーキなどが交流サイト(SNS)で拡散され、売り切れる店が相次ぐ。3月5日に新潟市中央区の新潟グランドホテルで行われた第48期棋王戦コナミグループ杯(新潟日報社主催)5番勝負第3局では、当時五冠だった藤井さんは、同ホテルの「苺(いちご)のホワイトガトー」を注文。越後姫を使ったケーキはSNSで情報が拡散し、すぐに完売した。


日本将棋連盟と東京都渋谷区は「観る将の聖地」を目指し6月、同区に「駒テラス西参道」を開設した。今月8日のイベ...
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