
第49期棋王戦第3局で相対する藤井聡太棋王(左)と伊藤匠七段=2024年3月3日、新潟市中央区の新潟グランドホテル
将棋は敵の玉を攻めて詰ますゲームだが、棋士の勝負への執念が際立つのはしばしば攻めよりも受け(守り)の手だ。「絶対に負けたくない」という心理が粘りの手として表れる。2024年3月3日、新潟市中央区で指された第49期棋王戦5番勝負の新潟対局(第3局)でも、そんな一手が飛び出た。
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ぶつかったのは当時全八冠を誇った藤井聡太棋王と同学年の伊藤匠七段(当時、現叡王)で、シリーズはここまで藤井棋王の1勝1持将棋(引き分け)。伊藤七段は他の公式戦を含め、藤井棋王に一度も勝ったことがなく、何が何でもまず1勝がほしい状況だった。
戦型は両者得意の...
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