棋士たちが色紙や扇子に筆で文字を書く、揮毫(きごう)。その言葉には棋士それぞれの人生観や将棋に対する思いなどが表れ、非常に興味深いものと言えます。タイトル戦では、前夜祭などのイベントで棋士が揮毫した色紙をファンに贈ることがあります。将棋の藤井聡太棋王=七冠=(22)に増田康宏八段(27)が挑む第50期棋王戦コナミグループ杯5番勝負(新潟日報社など主催、協賛社・大塚製薬)第3局が3月2日、新潟市中央区の新潟グランドホテルで指されました。今回の対局でも棋士たちが揮毫した色紙が用意されました。それぞれ、どのような思いを込めて言葉を選び、筆を執ったのでしょうか。本人の言葉と共に紹介します。
藤井聡太棋王 「大志」

四段に上がったころに、...
残り1206文字(全文:1513文字)