
「人生は波瀾(はらん)万丈に次ぐ波瀾万丈だった。今が一番穏やかに過ごせている」と語る水野久美さん=東京都千代田区の新潟日報東京支社
新潟県三条市出身で映画や舞台などで活躍するベテラン俳優の水野久美さん(87)が、新潟日報社のインタビューに応じた。「芝居を好きになった原点」と話す生まれ故郷・三条の思い出や、第一線で走り続けてきた俳優人生などについて語った。(報道部・横山志保)
水野さんの実家は三条市中心部にあった写真館。「向かいに三条座という劇場があって、いつも自宅から公演の様子をのぞいていた。(美空)ひばりさんも来たし、歌舞伎もあった」と振り返る。
中学、高校と演劇部に所属。中学2年でリア王のコーデリア姫の役を演じたとき、自然と涙が流れた。「先生にあなたは素質がある、女優になるようにと勧められた」のが転機となり、俳優を目...
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