文学作品にふるさとの鉄道が登場するのは うれしいものです。 先日、新潟日報の「日報抄」でも取り上げていましたが、 車谷長吉さんの作品「萬蔵の場合」には 米坂線と羽越線が接続する「坂町」が出てきます。 女優の卵「瓔子(ようこ)」がこんなことを話すのです。 「駅のフォームから日本海が見えるの、白い波が シベリアから押し寄せていたわ」 「何て言うのかしら、韃靼(だったん)人の、ほら、 北方騎馬民族の大群が押し寄せて来ているみたいなの、 一日中フォームのベンチに腰掛けてそれを見ていたわ」 さて、坂町のホームから本当に海は見えるのでしょうか。 村上や米沢に出かける...
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