
サッカーJ1アルビレックス新潟の戦いぶりや選手の活躍の要因などをデータを用いて試合ごとに振り返る「アルビLAB(ラボ)」。2024年シーズンが開幕し、早くも10試合が終わりました。現在は3勝3分け4敗の14位(20チーム中)と、波に乗れていませんが、必ず盛り返せるはず。今回はWEB特別編として、序盤10試合までのデータで、これまでの新潟の戦いを見てみましょう!
(データはリーグ公認の競技データ「J STATs」による。横浜Mと柏は1試合未消化)
◆今季もボールを大事にパスをつなぐサッカーは健在
第10節が終わった時点で、新潟のボール保持率は59・6%。J1でトップの数字を記録しており、2位の川崎(57・2%)とも差がある。パスの成功率は84・1%、1試合平均のパス本数も636本といずれもリーグトップ。以前のLABで紹介したように、特にボランチ秋山裕紀のパス本数や正確性は際立っており、成功率は90%以上をキープする。チームは昨季もパス成功率や保持率はJ1で1位だったが、今季も新潟のボールを大事にするスタイルは健在と言える。
◆スルーパス成功率、ドリブル成功率低く…攻撃単調に
ただ、総得点は9点とリーグ15番目で伸び悩んでいる。パスの中でも相手守備ラインの裏を狙うスルーパスに限ると、成功率は41・5%。これはJ1の20チーム中19番目の低さだ。昨季全体では51・9%でリーグ3位だっただけに、今季は精度の低下が目立つ。相手の意表を突くような、動きのあるパスを通せなければ、足元へのパスを何本つないでも相手守備を崩すのは容易ではない。J1復帰1年目と比べ、中央への縦パスを警戒されるなど、新潟の攻撃への対策はより厳しくなっている。一方で相手選手を抜くドリブルの成功率も39・4%とワースト2位。守備ブロックを破るには個の打開力も重要な要素。これらの数字が上がってこないと、攻撃は単調になり、相手にとって守りやすくなってしまう。

◆10試合中8試合で先制される 苦しい試合運び続く
10戦中8戦で先に失点を許しており、これは現在J1で一番多い。新潟の総得点9のうち前半に挙げたのは2点。先制を許せば、当然展開は苦しくなる。リードを守ろうとする相手に守備ブロックを築かれ、攻めあぐねては、いくらボール保持率が上がったとしても、勝利にはつながらない。松橋力蔵監督も言っているように、ボール保持は手段であり、...