中身が食べられたカキの稚貝しか付いていないカキ養殖用のホタテの貝殻=佐渡市の加茂湖
中身が食べられたカキの稚貝しか付いていないカキ養殖用のホタテの貝殻=佐渡市の加茂湖

 新潟県佐渡市の冬の味覚、加茂湖の養殖カキが深刻な食害に遭っている。クロダイなどが原因とみられ、2024年の5月中旬以降に養殖いかだにつるした稚貝が壊滅的な状況だ。関係者は思わぬ事態に困惑しており、市などと協力して今後の対策を検討する。

 「これじゃ商売にならない。ここに垂下した稚貝は9割以上が食べられている。こんな事態は初めてだ」。長年カキ養殖を行う加茂湖漁業協同組合代表理事組合長の山本博文さんが声を落とす。集落共同で管理するいかだから、中身が食べられた稚貝しか付いていないホタテの貝殻を引き揚げる表情はさえない。

 加茂湖では、2〜6月ごろにカキの稚貝が付いたホタテの貝殻を縄にくくりつけて養殖い...

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