新潟県の地域医療の二大ネットワークである県立病院とJA県厚生連病院の経営危機が発覚し、両者は赤字解消を目指して取り組みを進めている。共に2025年度内に資金が枯渇する恐れがあり、人員や病床規模の見直しなど聖域なき改革を目指す。ただ、職員や患者らの理解に向けた調整は難航も予想され、改革がどこまで実現するかは見通せない。

 県立病院と県厚生連病院の経営環境が悪化した主要因は共通している。人口減少や医師の偏在などによる患者数の減少と、人件費アップや物価高騰による費用の増加だ。病院の本業である患者への医療サービスから得られる収入減は抑えられているが、費用増が著しく、収支が悪化している。

 近年は新型コロ...

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