
新潟市の中心市街地や海岸線を走り抜ける「第40回新潟シティマラソン」(新潟市など主催)が10月13日に行われます。42・195キロのフルマラソン、10・6キロの「ファンラン」と、障害の有無や年齢にかかわらず参加できる周回コースの「ユニバーサルラン」があり、フルマラソンとファンランは、ビッグスワン前をスタートで市陸上競技場がゴールです。このページでは、ゲストランナーにコースの楽しみ方や、40回大会までの歩みを紹介します。
大好きな新潟で走る楽しさ共有したい(元豊山関・小柳亮太さん)
大相撲の元幕内豊山の小柳亮太さん(31)は2023年に続き、ユニバーサルランゲストとして出場する。日頃からマラソンのトレーニングに励み、ことし3月には東京マラソンに出場。初めてフルマラソンを完走した。「大好きな新潟で市民ランナーと走る楽しさを共有したい」と意気込む。
ユニバーサルランは新潟市中心部「にいがた2km(にきろ)」を会場に、100分の間、往復して好きなだけ走れるコース。小柳さんは当日、スターターを務め、出場者と一緒に走る。
実は今回、フルマラソンに挑戦するつもりで準備していたが、「オファーを受けたのはユニバーサルランの方だった」と少々がっかりした様子。それでも、万代橋は全てのコースの通過点であることから「ほかのコースの出場者にも、力になるような声援を送りたい」と話す。

現役引退後、減量のために始めたマラソンだったが、「最初は体が重く、歩くことすらきつかった」。振り返れば、中学生の頃を最後に走ったことがなかった。膝が外に開く力士特有の歩き方の矯正から始め、徐々に走れる体をつくった。
現役時代、190キロ近くあった体重は、現在110キロ台だ。「走れるようになって初めて『風を切る』楽しさを知った」と話す。
プライベートでは4歳の男の子を育てる父親でもある。育児をする中で「今の子は外で体を動かす機会が少ない」と感じていた。出場する子どもたちには、「公道を思い切り走れる良い機会。ぜひ楽しんでほしい」と呼びかけた。
市民やランナー同士の交流が魅力(元五輪代表・大島めぐみさん)
今大会は、シドニー五輪女子マラソン金メダリストの高橋尚子さんら5人のゲストランナーが出場者に寄り添い、柳都を走る。
その一人で高橋さんと同じシドニー五輪で女子5000メートルに出場した新潟医療福祉大駅伝部監督の大島めぐみさん(49)は、10・6キロのファンランに3度目の参加。中心市街地を駆けるコースは全国でも珍しいといい、「応援の多さと温かさ、走りながら市民やランナー同士で交流できるところが魅力」と語る。
もう一つ、新潟ならではの楽しみに挙げるのは、エイドステーションなどで味わえる「食」だ。

過去にはフルマラソンにも参加したことがあり、「しっかり汗をかいている中、エイドで味わった漬物」や、ゴール後に食べたおにぎりが印象に残っている。42・195キロの道のりも、「次のエイドでまた新潟のおいしいものをと意識して距離を刻んでいけば、短く感じるでは」と笑う。
フルマラソンのコースについては、中心市街地のほかにも海沿いを走るなど「変化に富んだ景色を楽しめるし、適度にアップダウンがあって走りやすい」とみる。順位、タイムを追求するランナーに対しては、上りでは脚を上げることを、下りでは早いリズムを意識することで「単調になりがちな走りを修正できる」とアドバイスする。
現役時代、実業団チームが集まった合同合宿で、高橋尚子さんと一緒に練習したことがある。誰よりも走り込み、基礎トレーニングにも打ち込む姿に感銘を受けた。「走るのが本当に好きだと伝わってくるし、競技者としてすごく憧れる」という高橋さんと、新潟で再会できるのも楽しみだ。
参加者は730人→1万人超に…紆余曲折経て市街地をコースに
秋晴れの下、かなたに佐渡島を望む越後七浦シーサイドラインを疾走-。前年の上越新幹線開通を記念し、...