事務所開きで支援者を前に語る桜井雅浩さん=10月14日、柏崎市田中
事務所開きで支援者を前に語る桜井雅浩さん=10月14日、柏崎市田中

 任期満了に伴う新潟県の柏崎市長選挙(11月10日告示)は11月17日の投開票まで1カ月となった。これまでに出馬を表明したのは、3期目を目指し、東京電力柏崎刈羽原発新潟県の柏崎市、刈羽村にある原子力発電所で、東京電力が運営する。1号機から7号機まで七つの原子炉がある。最も古い1号機は、1985年に営業運転を始めた。総出力は世界最大級の約821万キロワット。発電された電気は関東方面に送られる。2012年3月に6号機が停止してから、全ての原子炉の停止状態が続いている。東電が原発を再稼働させるには、原子力規制委員会の審査を通る必要がある。7号機は2020年に全ての審査に「合格」したが、安全対策を施している最中で、再稼働していない。再稼働東京電力福島第1原発事故を踏まえ、国は原発の新規制基準をつくり、原子力規制委員会が原発の重大事故対策などを審査する。基準に適合していれば合格証に当たる審査書を決定し、再稼働の条件が整う。法律上の根拠はないが、地元の自治体の同意も再稼働に必要とされる。新潟県、柏崎市、刈羽村は県と立地2市村が「同意」する地元の範囲だとしている。を条件付きで認める現職の桜井雅浩さん(62)のみとなっており、市議会議員の大半が支持するとみられる。一方、柏崎刈羽原発の再稼働に反対する共産党は対抗馬擁立を明言するものの、現時点で候補を決められずにいる。

 桜井さんの陣営は10月14日に事務所開きを行い、柏崎市田中に設けた事務所に市議会議員の大半を含む約60人が集まった。後援会の幹部は、市長選に全力投球できるようになるのは27日の衆院選の後になるとの認識を示し、「短期決戦になると思う。今まで以上に皆さんのご協力をいただくことになる」と呼びかけた。

 選挙に向けた準備が進む中、現職陣営は相手候補の姿が見えてこない状況に、もどかしさを口にする。事務所開きで選対幹部は「選挙で主張すべきことがあるのなら、現職より先に手を挙げて表明すべきではないか」とけん制した。

 その後に...

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