新潟地裁
新潟地裁

 水俣病熊本県で1956年に公式確認された病気で、その後、新潟県の阿賀野川流域でも集団発生した。毒性の強いメチル水銀を含む工場排水で汚染された魚介類を食べた人やその胎児が水銀中毒を発症し、亡くなった人も多い。症状は感覚障害や運動失調、視野狭窄(きょうさく)など。外見的な異常は現れずとも、手足のしびれや頭痛などに悩まされ続ける人もいる。被害を訴える新潟市などの男女が、国と原因企業の昭和電工(現レゾナック・ホールディングス)に損害賠償などを求めた新潟水俣病第5次訴訟水俣病被害を訴える新潟市などの男女が2013年12月、国と昭和電工(現レゾナック・ホールディングス)に損害賠償などを求め新潟地裁に提訴した訴訟。原告が水俣病かどうかや、九州に続き新潟県でも水俣病が発生したことに対する国の責任の有無が主な争点となっている。の口頭弁論が11月7日、新潟地裁(鈴木雄輔裁判長)であった。原告側と被告側の双方が主張を説明し、それぞれ4月の地裁判決は不当だと批判した。

 地裁判決は、原告のうち先行して審理を終えた47人中26人を水俣病と認め、国の責任を否定。原告、被告双方が控訴した。7日の審理は残る原告101人分。

 原告側は、地裁が水俣病と認定するに当たり、水銀の汚染地域と非汚染地域を比較し、感覚障害が発生している割合に着目する疫学的判断を否定したことを「不当な判断」と強調。原告全128...

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