
東京高裁が入る合同庁舎=東京都千代田区
水俣病熊本県で1956年に公式確認された病気で、その後、新潟県の阿賀野川流域でも集団発生した。毒性の強いメチル水銀を含む工場排水で汚染された魚介類を食べた人やその胎児が水銀中毒を発症し、亡くなった人も多い。症状は感覚障害や運動失調、視野狭窄(きょうさく)など。外見的な異常は現れずとも、手足のしびれや頭痛などに悩まされ続ける人もいる。被害を訴える新潟市などの男女が、国と原因企業の昭和電工(現レゾナック・ホールディングス)に損害賠償などを求めた新潟水俣病第5次訴訟水俣病被害を訴える新潟市などの男女が2013年12月、国と昭和電工(現レゾナック・ホールディングス)に損害賠償などを求め新潟地裁に提訴した訴訟。原告が水俣病かどうかや、九州に続き新潟県でも水俣病が発生したことに対する国の責任の有無が主な争点となっている。の控訴審の第1回口頭弁論が12月3日に、東京高裁で開かれることが8月28日、訴訟の進行協議で決まった。原告団の皆川栄一団長(81)らが意見陳述を行う予定。
一審の新潟地裁判決では、原告47人のうち26人を水俣病と認定したものの、国に対する賠償責任は認めなかった。原告45人が...
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