アプリを使った避難所の受け付け実験も行われた県の総合防災訓練=2024年10月、南魚沼市
アプリを使った避難所の受け付け実験も行われた県の総合防災訓練=2024年10月、南魚沼市

 新潟県が災害時の避難所運営をデジタル化しようと力を入れている。避難者情報はこれまで手書きの書類で把握、管理していたが、スマートフォンのアプリを導入することで、手続きの簡素化と支援の効率化を図る狙いだ。県の総合防災訓練で実証実験を重ねてきており、2026年度の実用化を目指している。

 県は民間企業や富山大学などと連携して「避難生活支援アプリ」を開発。スマホでアプリをダウンロードした避難者が氏名、年齢、住所、性別を入力すると、QRコードが表示される。避難所の担当者が読み込み、県や市町村の災害対策本部が避難者情報を一元的に管理する。

 受け付けがスムーズになるだけでなく、避難所ごとの年齢層や性別の傾向が分かることで、必要な支援物資の種類や数を判断しやすくなる。避難所に行かず、車中泊などを選んだ場合でもアプリを通じて位置情報を登録してもらい、情報の把握に努めるという。

 アプリだけでなくマイナンバーカードの活用も検討している。スマホを持たない人への対応策として、紙による登録も残す方針だ。

 避難者に紙を配って書いてもらう従来の手法では集計に時間がかかり、...

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