尾渡英生社長
尾渡英生社長

 新潟県佐渡市の「佐渡島(さど)の金山「相川鶴子金銀山」と「西三川砂金山」の二つの鉱山遺跡で構成。17世紀には世界最大級の金の産出量を誇った。金の採取から精錬までを手工業で行っていた時代の遺構が残っているのは、世界的に例が少ないとされる。」の世界文化遺産1975年に発効した世界遺産条約に基づき、歴史的建造物や遺跡を対象にユネスコが人類共通の財産として登録する。国内では姫路城などが登録されている。世界遺産にはほかに、貴重な生態系などの自然遺産と、文化と自然の要素を併せ持つ複合遺産がある。登録の可否は世界遺産委員会が決める。登録決定から半年が経過した。本土と島を結ぶ航路を担う佐渡汽船でも輸送人員が増加し、登録の効果が徐々に見え始めている。本格的な観光シーズンを控える中、どのような展望と戦略を描くのか。佐渡汽船の尾渡英生社長(63)に聞いた。(佐渡総局・榎本文)

-世界遺産登録が決まった2024年の輸送人員に変化はありましたか。

 「24年の全輸送人員は23年比5・7%増の127万3千人だった。新型ウイルス禍前の19年比では13%減だ。オンライン会議が普及し出張の機会が減るなど人々の行動が変化し、定着した。交通機関全体がウイルス禍前の水準には戻ることはないのではない...

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