
さまざまな工夫で二酸化炭素排出量削減に取り組む機電。削減量をグラフで示している=長岡市摂田屋町
新潟県長岡市摂田屋町の制御装置製造、機電(きでん)が、電気やガソリンの消費量を減らす脱炭素経営に力を入れている。社員がアイデアを出し合い、地道な改善を重ねることで、光熱費の抑制につなげ、二酸化炭素(CO2)削減量を「見える化」してPRにも役立てている。地球環境に配慮した経営が注目され、大企業だけでなく中小企業の姿勢も問われている中、機電は「損益だけでなく、社員の一体感の醸成にも効果がある」と実感を込める。
脱炭素経営について、取り組み状況を開示する動きが、上場企業を中心に広がっている。取引関係にある中小企業も協力を求められるケースが増えているが、費用対効果などを疑問視する声もある。
機電は1981年の創業で、従業員は約30人。工作機械や産業機械用の制御装置の設計製作、機械制御用のソフト開発などを手がける。環境に配慮した経営を始めたきっかけは2021年、子育て中の従業員が持続可能な開発目標(SDGs)について、会社の在り方を尋ねたことだった。
「返す言葉がなかった」という高橋聖(ひじり)社長(54)は、取り組むことを決意。自家消費用の太陽光パネルを設置し、社内有志でつくる推進委員会を立ち上げた。
委員会は会合を開き、...
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