
10月からの値上げ方針を説明する「えちごトキめき鉄道」の平井隆志社長(右)=2月12日、上越市の同社
第三セクター鉄道のえちごトキめき鉄道(新潟県上越市)は2月12日、10月から運賃を平均18%値上げすると正式に発表した。2015年の開業から続けてきたJR線などとの乗り継ぎ割引も廃止する。7月までに国土交通省北陸信越運輸局に値上げを申請する。認可されれば値上げは20年4月以来となる。12日に会見したトキ鉄の平井隆志社長は「今の状況のままで経営を続けるのは難しい。末永く利用してもらえるよう努力する」と理解を求めた。
申請通りに値上げした場合、初乗りは現行の190円から220円となる。主な区間では直江津-高田間が280円から330円、直江津-糸魚川間は900円から1070円に上がる。
鉄道運賃は、乗車区間が別会社にまたがると初乗り運賃が二重に発生する。乗り継ぎ割引は、北陸新幹線開業に伴いトキ鉄がJR東日本、西日本から並行在来線の一部を引き継いで開業した際に、利用者の急激な負担増を避けるため、激変緩和措置として導入した。
トキ鉄はJR東、西のほか、しなの鉄道(長野県)、あいの風とやま鉄道(富山県)の計4社と割高になる分を分担した。しかし、あいの風とやま鉄道以外の3社は乗り継ぎ割引を既に廃止しており、経営状況を踏まえ、トキ鉄も廃止に踏み切る。
割引額は1区間あたり10〜40円。春日山駅とJR東の黒井駅との区間では本来340円のところを300円としていた。制度の廃止後は、値上げ分も加え370円となる。
青海駅と...
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