
地形も文化も独自に発展してきた新潟県の佐渡で暮らしていると、さまざまな謎に出合う。たいていの疑問は解決できたが、そのままにしていた二つの謎に迫るべく、島を巡ってみた。(佐渡総局・山田史織)
「佐渡の海岸線を車で一周できるのか」。赴任した直後から気になっていたことだ。佐渡の海岸線をつなぐ「県道佐渡一周線」があるのだから、一周できるに違いないと思ってきた。しかし、一周線は途中で途切れてしまっている。その先はどんな景色になっているのか-。車で通行できるのか-。海岸線を走ってみた。
一周線は総延長約165キロで、沿岸部の約8割をカバーするにとどまる。国道と市道も合わせればほぼ一周することは可能だが、道路状況が悪い上、行き止まりになる箇所もある。海岸線のみで一周することはできなかった。

県佐渡地域振興局によると、県道佐渡一周線の名が付いたのは1994年。「両津-鷲崎-佐和田線」「両津-赤泊-小木線」「小木隆起岩線」の三つの県道を合わせて佐渡一周線として認定した。現在の一周線の起点は佐和田地区窪田、終点は小木地区江積だが、当時は小木地区沢崎までだったという。
江積より先の素浜までの約10キロも、道路法上では佐渡一周線として認定されているが、...
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