柏崎市の2024年度のふるさと納税寄付額が前年度比7・7%増の5億424万円で、22年度から3年連続で過去最高を更新した。市は返礼品を提供する事業者の増加や、米価高騰で返礼品のコメの引き合いが高まっていることが寄付額を押し上げたとみている。

 24年度の寄付件数は前年度比14・5%減の1万8203件。23年度は寄付件数は2万1283件、寄付額は4億6836万円。

 市元気発信課は「米価高騰の影響で返礼品のコメの値段が上がっている。そのため寄付件数自体は減ったものの、全体の寄付額は増えた」と説明する。

 返礼品では、県のブランド米「新之助」(白米)、同じく県産ブランドイチゴの「越後姫」などが人気を集めた。

 柏崎市では、コメは元々応募が多い返礼品だったが、昨今の米価高騰の影響で、他自治体と同様に人気がさらに高まっている。24年度のふるさと納税の新之助やコシヒカリなどのコメの寄付金額は、全体の約8割を占めた。

 応募の殺到により、全国の自治体では返礼品のコメの在庫不足が発生している。県内でも県や魚沼市、長岡市などで、コメの返礼品が発送ができない事態になった。

 柏崎市でも、24年産米の在庫量は減っているというが、市元気発信課の早川安洋課長は「事業者と連携して在庫管理を徹底する。発送ができないという事態だけは避けたい」と話す。状況に応じて、コメの応募を一時的に停止する可能性もあるという。

 柏崎市はふるさと納税の使い道を、寄付する際に選択できるようにしている。24年度(金額ベース)は「こどもたちのために」が35・6%で最多だった。太陽光発電や蓄電池を活用する脱炭素のまちの実現に向けた「人と自然にやさしいエネルギーのまちづくりのために」が34・7%、「市長におまかせ」が16・7%、「若者と女性のために」が13%で続いた。

 柏崎市はふるさと納税の寄付額を着実に伸ばしていきたい考えだ。23年度からは返礼品に「ぎおん柏崎まつり 海の大花火大会」のスターマイン打ち上げと有料観覧席のセットを追加。コメ以外の返礼品の開拓にも力を注ぐ。

 本年度は7月ごろを目標に「体験型返礼品」の導入も始める予定だ。市内の宿泊施設や飲食店に2次元コードを設置し、そこで利用者に納税してもらう。返礼品として、宿泊料や飲食代が割引される仕組みを整える。市内の業者に今後、参入を呼びかける。

 早川課長は「毎年5億円の...

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