
NST新潟総合テレビ
NST新潟総合テレビ(新潟市中央区)が、6年間で11億円の所得隠しを関東信越国税局に指摘されたことが発覚して1カ月。NSTはあくまで元社員による個人的な不正だと強調し、国税局の調査が入るまで「把握できなかった」と説明している。だが、巨額の費用を投じた“成果”を会社が確認せず、長年気づかないことがあり得るのかとの疑念が業界内にはある。全容は依然、不明のままだ。
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6年間で計11億円…CM制作費水増し裏金化、接待など流用
NSTによると、営業担当だった元社員は2018〜23年度の6年間、都内の複数の制作会社に架空のCM制作などを依頼。NSTが支払った制作費を元社員の親族名義の会社に流していた。NSTが広告代理店に支払った手数料もその会社に流れていた。NSTへの還流はなく、組織的な意図はなかったとしている。
NSTは国税局の指摘を受けて修正申告し、7億900万円を納税。常勤取締役6人を役員報酬減額の処分とした。元社員は還流した金を接待などに充てたと話しているという。
◆「説明理解できない」テレビ関係者あきれ声
NSTは架空のCM制作などを見抜けなかった理由を...
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