
記者会見で新たな救済法案への期待を語る新潟水俣病阿賀野患者会の皆川栄一副会長(中央)、曽我浩会長代行(右から2人目)ら=6月、新潟市中央区
20日投開票の参院選では物価高対策などに焦点が当たっているが、公式確認から60年となった新潟水俣病1965年、新潟県の阿賀野川流域で公式確認された。阿賀野川上流の鹿瀬町(現阿賀町)にあった昭和電工(現レゾナック・ホールディングス)の鹿瀬工場が、アセトアルデヒドの生産過程で生じたメチル水銀を含む排水を川に流し、汚染された川魚を食べた流域住民が、手足の感覚障害や運動失調などを発症する例が相次いだ。56年に熊本県で公式確認された水俣病に続く「第2の水俣病」と呼ばれる。問題も早期解決が求められる国政課題だ。新たな救済法案が国会に提出されたものの、選挙戦で各候補から語られる機会は少ない。県内の被害者らは新潟選挙区(改選数1)の各候補者の考えに目を凝らしつつ、「事態打開には与党も野党もない」と政治解決に向けて歩み寄るよう求めている。
参院選公示翌日の4日、新潟水俣病の被害者でつくる「阿賀野患者会」が県庁で記者会見を開いた。患者会会長代行の曽我浩さん(77)は救済法の成立を訴え、「全政党の協力がないと難しい」と強調した。
6月中旬の通常国会会期末に立憲民主党など野党...
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