
「家庭教師のトライ」の運営会社トライグループ(東京)が教材の中で水俣病熊本県水俣市のチッソ水俣工場から不知火海(八代海)に流された排水に、毒性の強いメチル水銀が含まれ、汚染された魚介類を食べた住民らに手足のしびれや感覚障害、視野狭窄(きょうさく)といった症状が相次いだ。1956年に公式に確認され、68年に国が公害と認定した。母親の胎内で影響を受けた胎児性患者もいる。根本的な治療法は見つかっていない。新潟県の阿賀野川流域でも同様の病気が発生。この新潟水俣病のほか、イタイイタイ病、四日市ぜんそくとともに、四大公害病と呼ばれる。を「遺伝する」と誤表記した問題で、トライグループの役員や教材制作担当者ら14人が20日、新潟水俣病1965年、新潟県の阿賀野川流域で公式確認された。阿賀野川上流の鹿瀬町(現阿賀町)にあった昭和電工(現レゾナック・ホールディングス)の鹿瀬工場が、アセトアルデヒドの生産過程で生じたメチル水銀を含む排水を川に流し、汚染された川魚を食べた流域住民が、手足の感覚障害や運動失調などを発症する例が相次いだ。56年に熊本県で公式確認された水俣病に続く「第2の水俣病」と呼ばれる。が発生した阿賀野川流域で研修を実施し、被害者から現状を聞き取った。訪問は再発防止策の一環で、トライ側は終了後、「研修を踏まえ、正しい発信を行っていきたい」などと話した。
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水俣病の適切な情報発信「トライ」に要請、新潟県と新潟市など
誤表記の問題を巡りトライグループは7月、新潟市を訪れ、被害者団体に謝罪。新潟水俣病の被害者らでつくる新潟水俣病阿賀野患者会などが被害者の声を聞くよう来訪を要請していた。
一行は原因企業の昭和電工(現・レゾナック・ホールディングス)が水銀を含む廃水を阿賀野川に流した排水口や流域を見学した。
阿賀町では、阿賀野患者会の皆川栄一副会長(82)らが症状や阿賀野川流域の当時の生活について説明した。皆川さんは「研修を生かし、教材を通じて...