
外部調査委員会の報告書を受け、記者会見したNSTの酒井昌彦社長(左)と、調査委の森本哲也委員長=3日、新潟市中央区のNST本社
NST新潟総合テレビ(新潟市中央区)の所得隠し問題を巡り、3日に公表された外部調査委員会の報告書で、元社員が不正に手を染めた要因として指摘されたのは「売り上げ・シェア1位」を必達目標とする経営トップからの重圧だった。視聴率低下で営業が厳しさを増す中、広告代理店への商品券贈答や海外旅行招待で売り上げ確保を図ったが、税務当局の指摘などで頓挫。利益供与を社として容認し、最後は元社員が架空のCM制作発注などを通じた「裏金」を利益供与の原資に充てるという異様な社内風土が浮き彫りになった。
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NST本社で3日夕から開かれた記者会見。外部調査委員会委員長の森本哲也弁護士は「NSTでは売り上げ、シェアといった数字の達成に絶対的な価値がおかれ、手段の是非という観点が軽んじられていたことが背景にあった」と指摘。酒井昌彦社長は表情を変えず、じっと聞いていた。

調査で明らかになったのは、...
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