
NST新潟総合テレビ
フジテレビ系列のNST新潟総合テレビ(新潟市中央区)は3日、11億円の所得隠しを関東信越国税局から指摘された問題を受け、調査を進めてきた外部調査委員会の報告書を受け取り、公表した。フジテレビの視聴率低迷や激しい競争を背景に、広告代理店の担当者に対する商品券贈答、海外旅行招待など適正な範囲を逸脱した利益供与が行われていたと指摘。経営陣の判断がこれを継続させ、架空のCM制作費の計上までに問題を発展させたという。
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報告書によると、2011年ごろからフジテレビの視聴率が下落、東京支社の営業担当者には相当なプレッシャーがあった。広告代理店担当者への商品券贈答など利益供与がエスカレートし、16年には商品券購入額は1450万円に達した。17年に税務調査で指摘を受けると、商品券贈答は段階的に廃止され、海外旅行招待もウイルス禍でできなくなると、架空のCM制作費を計上して利益供与が行われるようになったという。
問題とされた元社員はNSTから様々な名目で支出された資金を管理下に置き、広告代理店担当者に対する飲食などの接待や現金によるキックバックを行っていた。
報告書では...
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