日銀は10月30日の金融政策決定会合で、政策金利を0・5%程度で据え置くと決めた。物価高の勢いを考えると追加利上げに動いてもいい局面だが、発足後間もない高市早苗政権と意思疎通を図る時間がなく、見送ったようだ。今後の政策運営に当たり、政府には日銀の独立性をくれぐれも尊重するよう求めたい。
こうした注文を政府に付けたのは、高市首相が「責任ある積極財政」を掲げ、金融政策を含むマクロ経済政策全般の「最終的な責任は政府が持つ」と繰り返し発言しているからだ。実際、インフレ下にもかかわらず首相が金融緩和を志向し、日銀の政策運営に介入して、独立性を脅かすのではないか、との疑念を市場に抱かせている。
日銀の政...
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