斎木昭隆氏
斎木昭隆氏

 北朝鮮による拉致問題1970~80年代、北朝鮮が日本人を連れ去る国際犯罪を重ねた。工作員の教育などが目的とされる。2002年の日朝首脳会談で金正日総書記が拉致を認めて謝罪。被害者5人が帰国し、8人は「死亡」とされた。日本政府認定の被害者は計17人で、北朝鮮は4人を「未入国」と主張している。日本側は説明に不審な点が多いとして受け入れず、交渉は停滞している。が進展しないまま、被害者や親世代が高齢化し、救出活動をする被害者家族の代替わりが進んでいる。家族とともにトランプ米大統領と面会し、解決へ協力を求めた高市早苗首相は膠着(こうちゃく)した現状を打開できるか。外務省で北朝鮮との交渉を担当し、事務次官も務めた斎木昭隆氏(73)=中東調査会理事長=に当時の思いや政府の姿勢について聞いた。

-2002年9月17日、当時の小泉純一郎首相と北朝鮮の金正日(キムジョンイル)総書記による日朝首脳会談の直後、拉致問題を担当するアジア大洋州局参事官になり、調査団長として訪朝しました。

 「9月20日付で異動し、担当を命じられた。...

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