
講演で拉致問題の早期解決へ協力を訴える田口八重子さんの長男飯塚耕一郎さん=9月、東京都足立区
    北朝鮮による拉致1970~80年代、北朝鮮が日本人を連れ去る国際犯罪を重ねた。工作員の教育などが目的とされる。2002年の日朝首脳会談で金正日総書記が拉致を認めて謝罪。被害者5人が帰国し、8人は「死亡」とされた。日本政府認定の被害者は計17人で、北朝鮮は4人を「未入国」と主張している。日本側は説明に不審な点が多いとして受け入れず、交渉は停滞している。被害者5人が帰国して23年。被害者の救出は進まず、高齢化で被害者家族が相次いで亡くなり、未帰国の政府認定被害者の親世代で存命なのは新潟市で拉致された横田めぐみさん1977年11月15日、新潟市立寄居中学1年の時の下校中に失踪。2002年9月の日朝首脳会談で北朝鮮は拉致を認めた。北朝鮮はめぐみさんは「死亡」したとして04年に「遺骨」を出したが、DNA鑑定で別人のものと判明。北朝鮮の説明などに不自然な点が多く、日本政府は生存を前提に再調査を求めているが、北朝鮮は「拉致問題は解決済み」としている。=失踪当時(13)=の母早紀江さん(89)一人となった。代替わりが進み、親世代から活動を引き継いだきょうだいや子ども世代は強い覚悟と、長い年月がたっても解決しないいら立ちを抱える。親世代の願いを胸に、懸命に世論に訴える家族の姿を追う。(4回続きの3)
<2>拉致が奪った「当たり前の日常」…横田めぐみさんの双子の弟・拓也さん、哲也さん「親世代が存命のうちに必ず解決する」
北朝鮮による拉致被害者の子ども世代で、救出に向け早...
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