
JR広島駅構内の売店に併設された調理場で焼かれるアナゴ=10月、広島市
JR各社や各地の駅弁業者が、駅弁を国の登録無形文化財にしようと取り組んでいる。鉄道の高速化による移動時間の短縮やコンビニの普及から事業者は最盛期の約2割まで減り「存続の危機」(JR関係者)にある。今年は駅弁が販売されて140年の節目に当たる。独自の製法技術や郷土料理の伝承を担ってきた文化的価値に着目し、再興を図る。
アナゴの皮目が焼け、じゅわじゅわという音とともにたれの香りが漂う。JR広島駅構内の売店に備えられたガラス張りの調理場。名物のアナゴの駅弁を製造・販売するのは、1901年創業の「広島駅弁当」(広島市)だ。
登録無形文化財化を発案したのはJR西日本、鉄道文化推進室担当課長の奥山喜文さ...
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