
岩室温泉の特長である「黒湯」に足を浸して、楽しむ観光客=10月30日、新潟市西蒲区のいわむろや
温泉や山、海があり、観光資源が豊富な新潟市西蒲区。中でも「新潟の奥座敷」の岩室温泉は、市内唯一の温泉街だ。ただ現地を訪れると、新型コロナウイルス感染禍からの宿泊客の回復は途上で、景観をどう維持するかという課題も聞こえる。
300年以上の歴史がある岩室温泉の特長は「黒湯」だ。神経痛や関節痛などに効くとされ、雁(かり)が傷を癒やしたとの言い伝えから別名「霊雁(れいがん)の湯」と呼ばれる。市岩室観光施設「いわむろや」を訪れた10月下旬は、黒湯を求めて多くの人が足湯を楽しんでいた。
ただ客足は感染禍前ほどではない。県の観光入込客統計調査によると、岩室温泉の入込数は年間20万〜22万人で推移してきたが、2021年に11万人に激減。23年も17万人にとどまる。
取材で出会った岩室温泉観光協会会長の...
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