
新潟日報朝刊で好評連載中の遠藤麻理さんのコラム「なんとかなる」が、デジタルでもご覧いただけるようになりました。デジタル限定で過去のバックナンバーもこちらで順次再掲していきます。
夏休み中の子供たち、夏を楽しんでいますか? 休みもたくさんあるけれど、宿題もまた、たんまり出されたことでしょう。
私の小学生時代は、夏休み帳に始まって、漢字と計算のドリル、自由研究、読書感想文、日記、工作、プール通い、ラジオ体操強制参加…。日記はもはや未来日記と化し、一気に10日分くらい書いていました。
厄介なのは自由研究ですよね。知人に「クラスメートが何を自由研究したか」という自由研究をした人がいます。名案です。登校日にみんなに聞けば完成するのですから。とにかく、やることが多すぎて休めないのが夏休みです。
しかし、私の夏休みはやりたいこと最優先でした。といっても、友達と朝から夕方まで汗だくになって自転車をこいだり、神社に集まってアイスを食べたりするだけなのですが、そんなことをしていても一日はあっという間に過ぎていきます。
「夏は一度きりだから!」というのが私の主張でした。「夏なんか来年も再来年もくるわね」と祖母に言われると、「今年の夏は一度きりなんだて!」と叫びました。そんな風に過ごせば後で必ずツケは回ってくるわけですが、それを承知で日々を謳歌(おうか)しました。
高校卒業後の進路決定の際も、放送関係の仕事に就くと決めていたので、それを専門に勉強する学校に進みたいと母に伝えましたが、「もしその仕事に就けなかった時に選択肢が広がるから」と大学進学を勧められました。でも、他の仕事など考えられないと貫きました。
そして今、これまでを振り返って、それなりに遠回りも苦労もしたけれど後悔はありません。なぜなら、...
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