「コトノネ」の最終号
 「コトノネ」の最終号
 「コトノネ」最終号を手に話す編集長の里見喜久夫さん=17日、東京都目黒区
 これまでに発刊された「コトノネ」

 障害のある人が生き生きと働く姿を14年間取り上げてきた雑誌が、20日出版の最終号で休刊した。こうした刊行物は福祉団体が作っている例がほとんどだが、出版社が独自の視点で発信する珍しい存在だった。ファンからは惜しむ声が上がる。

 「コトノネ生活」(東京)が年に4回出してきた季刊誌「コトノネ」。毎号、障害のある当事者が表紙を飾り、笑顔で働くカラー写真をふんだんに盛り込む。高いデザイン性も特徴だ。

 名前の「コト」は「事」「言」「異」を表す。それらが混じり合い、さまざまな「音色」を生んでいく。そんな思いが込められている。

 創刊は2012年。前年の東日本大震災がきっかけだった。東京でデザイン会社を経営して...

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