さまざまな事情で義務教育を十分に受けられなかった人たちに、学び直しの機会を提供する夜間中学。札幌市と岡山市で開設されている県外の2校を訪ねた。新潟県では新発田市に今春、自主夜間中学が開設された。新潟市で計画が進む県内初の公立夜間中学の準備状況と合わせ、夜間中学の「いま」を紹介する。(新発田総局・阿部慎一、金澤朋香、報道部・落合堂伊代)
年齢も国籍も違う人たちが集う「学校」が新発田市にある。市民有志らが4月に開いた新発田自主夜間中学校だ。毎週火曜日の夜、スタッフが各自に寄り添うように教える。義務教育を十分に受けることができなかった高齢者や学びを深めたい小中高校生、最近では留学生や技能実習生も目立つ。
「漢字が難しい」。十数人の「生徒」が集まった11月中旬。ネパールから胎内市の大学に留学している女性(22)は苦笑いを浮かべた。日本語で会話はできるが、読み書きで漢字の壁にぶつかった。「まずはマスの中に書くようにしましょう」。スタッフのアドバイスを受け、小学生の漢字ドリルに挑んでいた。...
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